今という器の中から

過ごした時間を振り返る雑記ブログ

自分の夢の変遷

 夢と挫折について今までのブログでお決まりのように書いてきた気がする。だからと言って傷は癒えないし、あの頃に戻れたとして、何か変えられたとも思わない。

 小さかった頃の一番古い夢は、おもちゃ屋さんだった。それ以外の職業を知らなかったと言う方が正しいのかもしれない。例えば、幼稚園の先生も職業だろうし、買い物に行ったスーパーで働いている人も職に就いている。けれども当時の自分には、働いているということが認識できていなかった。職業や仕事、働いている人が巷に溢れているってのが理解できたのは、ずっとずっと後だったように思う。職業という名前が付いていたことを理解できていたのかも怪しい。

 次に夢として文章に書いたのは、寿司職人だった。漫画原作の、こちら葛飾区亀有公園前派出所のアニメを見ていて、その中で主人公の両津勘吉が寿司を握る場面があったので、もうこれでいいかと思って書いた。何かに秀でているわけでもなく、興味を持っているわけでもなく、別に何でもよかった。主人公の本業は警察官だったのだが、無意識のうちにそれは見ないようにしていたのかもしれない。なる気のない職業について書くのは苦労したという記憶だけが残っている。

 その次は、記憶がおぼろげだが、課長と書いたような気がする。その次は大学生と書いた。そして、大学生になることはなかった。恐らくこれからもないだろう。自分が欲しがったのは専門的な知識や学問を修めることではなく、きっと、似たような歳の仲間と自由な生活を送ることだったのだろうから。歳を取るにつれて、具体的な職業名について書くこともなくなった。自分の人生が決まってしまうと思ったからだ。

 就職に失敗し、奨学金を借りて通った進学先をほったらかして家とスーパーを往復する日々が続き、卒業までに就職先が見当たらず無職になり、アルバイトをしながら実家に寄生する日々を送っている。最近は時給が上がって800円になった。自分の中ではこれを挫折だと思っているのだが、ある意味では、何者にもなりたくない・自分が何者であるかを考えたくないという目的を無意識に叶えているのかもしれない。

 今の自分の夢は? って自分の胸に聞いてみるのだけど、そんなことしたって後悔は消えないよって返ってくる。