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星明かりの更新

真っ直ぐ立つために、少しの呪いを添えて。現人神へと変わるまで、リターンズ。

限りなく黒に近いグレイ

雑記

 買い物に行った。買うものがあったから。それは建前の理由で、特定の人物が見たくて行った。急いで買う必要がないものもあれば、その場所で買う必要がないものもあった。かろうじて、買ってもよい理由はあったが、買うべき理由は無かった。

 “ 見たくて ”。会いたくて、とは少し違う。こちらが相手に認識される必要はなかった。買い物とは言えども、理由が理由なので、本質はストーカーと変わらない。黒に近いグレイだ。黒ではないと思いたいが、それは犯罪者当人による都合のバイアスなのかもしれない。

 在庫が切れた消耗品を項目化して、適する商品を見繕って、買う。近くで声が聞こえて、姿がそこにあって、『今日も生きてるんだなあ』なんてことを確認して帰った。買い物は、二十分かからないくらいだった。

 この歳になって、「同じ時代に生きていることに圧倒的感謝!」みたいな言葉も、ありがたくなったような気がしている。そこに存在するありがたみだろうか。

 向こうからすれば、トガミは何十、何百と通り過ぎていく誰かに過ぎず、そもそも人として認識されていたのかすら分からない。まあ、下手に犯罪者予備軍として個別に認識されるよりは、その方がマシだろう。

 変わらず、そこにいることを目にして、『今日も平和だ』なんてことを感じていた。日常は変わる。引き留める術はない。今日も平和だ、いつまでそう言っていられるだろう。認識されなくてよかった。本当に?

 美人だったら誰だって構わないのだ。ほんの少し早く、偶然に、他の美人よりも彼女のことを知ってしまっただけで。美人だから惹かれるのか、はたまた惹かれるから美人と呼ぶのか。手の届かないものは、いっそう綺麗に見える。