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星明かりの更新

真っ直ぐ立つために、少しの呪いを添えて。現人神へと変わるまで、リターンズ。

二階に傘を忘れた日

 このままの書き方では、更新の数が増えても、積み重ならないんだろうなあと思った。そのままでも良いと思うなら、今のままの更新スタイルでも構わないのだろうけれど。文章を書くことに、自分が何を期待しているのかあまり分かっていないようだ。

 今日は沢山の人に迷惑を掛けた。質も量もかなりのものだったと思う。おまけに土砂降りのオプション付き。けれども、自分一人の心に刺さるような迷惑ではなかったので、あまり落ち込まずに済んでいる気がする。迷惑を掛けた分、別の形で力になれたらいいなと思う。が、傲慢だろうか。

 職場を出て数歩、肌に小降りの雨を感じ、職場に折りたたみ傘を忘れたことに気が付いた。自分は都合上、帰りが遅いことが多い。今日は先程、施錠したところを確認したばかりだった。

 やっと帰れると思いながら施錠したであろう人のことを考えると、今から鍵を開けてもらうのも気が引ける。幸い職場の外には、公認された無数の置き傘が常備してあるので、その中から一本、借りて帰ることにした。

 今日の帰り、そして翌日の行きに使うだけのものだ。そこまで吟味して選ぶほどのものでもないだろうと思い、適当に大きめのものを取った。暗がりに置いてあり、色も柄もよく分からなかった。

 ふだん使っている折りたたみ傘は、ワンタッチで開き、そして軽い。調べてみると、自動開閉傘と言うらしい。

 それに比べて、借りた傘は古く、重く、灰を被っているようだった。説明が難しいのだけれど、押し上げて開く傘だ。下ロクロを上ハジキに引っ掛けて使うもの。小さい頃は指を挟みそうで、この類の傘を使うのが怖かった。最近はめっきり見なくなった気がするが、単に自分が使わなくなっただけなのだろうか。

 何だか懐かしく思いながら、傘を開く。ここ数年はずっと、指で押すことで傘が開いていた。久しぶりに傘を開いた気がする。そして、重い。単に大きさの問題もあるのだろう。素材の違いもあるのかもしれない。少しだけ、技術の進歩を垣間見た気がした。

 借りた傘は、持ち手が木だった。忘れた折りたたみ傘は恐らくプラスチックだと思う。木の暖かみとまではいかないけれど、それは自分に違いを訴えかけるには充分なものだったように思う。

 傘はしっかりとしていた。家まで保ってくれた。明日も職場まで使えると思う。そして、この傘はまた置かれるのだろう。次はいつ使われることになるのだろうか、なんてことが頭をよぎった。使われて本望、なんてこともないだろう。ただ自分が疑問に思ってしまっただけだ。

 実際に使ってみなければ、手にとってみなければ分からないような感覚もあるような気がした。一日分、置き傘を借りる。小さく、安全な変化を体験できたように思う。小さく安全な変化は、自分にとって大切な考え方になりそうな気がしている。それは気のせいかもしれないが、念のために書き残そうと思った。

 
 

 

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